【量的金融緩和は実体経済にどれくらい波及しておるじゃろうか】


すでに取り上げたとおり、アベノミクスによる量的金融緩和という政策は、デフレマインドを払拭する狙いもあるのじゃ。

デフレマインドについてはどうなっているのかというと、日本銀行が四半期ごとに実施している「生活意識に関するアンケート調査」によると、消費増税の影響が大きいとはいえ、2014年9月時点の調査では、人々の暮らし向きや景況感だけではなく、アベノミクスで大きく持ち直した、先行きの地価上昇や日本経済の成長力に対する期待感の低下が続いているそうじゃ。

黒田総裁は、量的・質的金融緩和導入直後の記者会見やその後の講演のなかで、金融緩和の効果は3つの経路を通じて実体経済に波及することを想定していると述べているのじゃぞ。

まず1つめなのじゃが、長期国債をはじめとするリスク資産の購入によって、長めの金利を中心とした資金調達コストが低下し、企業などの資金需要が増えるという経路なのじゃ。2つめは、日銀が長期国債を大量に購入する結果、投資家が株式や外債などへ運用資産をシフトさせるポートフォリオ・リバランス効果なのじゃ。これによって銀行からの貸し出しが増えることが期待されているのじゃぞ。そして3つめは、大胆な金融緩和の実施にコミットすることによって人々が予想するインフレ率が上がれば、実質金利が低下し、設備投資や住宅の建設といった民間の(資金を含めた)需要が喚起されるというものなのじゃ。

つまり、量的・質的金融緩和の政策手段そのものは次元が違っても、金融機関側の貸し出しへの誘因を高めつつ、名目・実質両金利の低下を通じて借り手側の資金需要を増やそうとしているという点では、従来の金融政策が目的とするところと大きく変わるものではないのじゃ。そのため、今回の政策による実体経済への影響を考える上で大きな鍵を握るのは、銀行からの貸し出しがどこまで増えるかの一点にかかっていると言えるのじゃ。

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