自国通貨の価値調整手段を持つ国はどうやって危機を脱したのかしら(ギリシャ問題とユーロその3)


国民投票が行われ、これ以上の緊縮財政にNOを突きつけたギリシャ。
ギリシャは2010年にギリシャ危機が発生し、そこから欧州債務危機へと被害が広がったのですわ。前回書いたとおり、ギリシャの問題の根源にあるのは、EU加盟国であるがゆえに、自国通貨の価値調整手段を持たない、ということなのですわ。

では、自国通貨の価値調整手段を持つ国は経済危機に対し、どのような対応をしたのでしょうか。

例えば1997年に起きたアジア通貨危機を見てみるのですわ。
タイから始まったこの通貨危機は、インドネシア、韓国等、アジア諸国の経済に大ダメージを与えたのですわ。タイ、インドネシアなどアジア諸国は1990年あたりにはドルペッグ制を採用しており、自国通貨を対ドルで固定していましたわ。

しかし実際の国力以上に自国通貨が強くなってしまったため、輸入品の価格が自国通貨に換算した場合安くなってしまう、という現象が起きていましたのよ。つまり、通貨価値が不適正であったということなのですわ。各国がドルペッグ制を維持するために必要に応じ為替介入をしていたのですが、そこをヘッジファンドなどに狙われ、通貨危機がぼっ発したのですわ。

アジア通貨危機のはじまりとなったタイの通貨であるバーツは、危機以前には1ドル25バーツ程度でしたのよ。しかしアジア通貨危機により57バーツまでドル高バーツ安となりましたわ。アジア通貨危機の際には海外からの資金、おもに短期のドル貸付資金などが大量に流出し、経済は大混乱となったのですわ。しかし、タイはそれを独自の経済政策により持ち直したのですわ。

通貨危機により、短期間でタイ国内のドル建て価格は半額以下になったものの、そのおかげで輸出しやすくなりましたのよ。また、ドルベース、また他主要通貨で換算した際のタイ国内の資産の値段が割安になり、これらの通貨を使う外資系企業にとっては魅力的になりましたわ。さらに、タイ政府は外資系企業を積極的に誘致し、税務上の優遇措置を設ける等、便宜を図りましたのよ。元々進出していた外資系企業を中心に設備投資を積極的に行い、民間設備投資を中心に国内需要が増加しましたのよ。

これを起爆剤とし、輸出を中心とした産業構造へと変化させ経済の立て直しを図り、貿易収支を柱とする経常収支黒字転換策を実施したのですわ。これにより、アジア経済危機の発生から10年程かけて、タイバーツは、1ドル35~45バーツあたりを推移しながら、リーマンショックの時には1ドル32バーツ程まで回復しましたわ。

関連記事

【アベノミクスの問題点を見てみるのじゃ!】

2012年12月に自民党が政権奪取して以来行われてきたアベノミクス。 これにより株価が上昇し、景気が良くなった、という意見があることはすでに紹介したとおりなのじゃ。 とはいえ、株価上昇=景気回復ではな …

東洋ゴム工業の株価が値下がりしたのじゃ

東洋ゴム工業の株価が大幅に値下がりしたのじゃ。2015年3月に免震ゴムの性能偽装問題が発覚し、交換作業などの費用としておよそ140億円を計上していたのじゃが、8月6日に交換費用などで追加損失100億円 …

SBI証券が上昇が期待できそうなマザーズ銘柄を紹介していますわ!

SBI証券では、上昇が期待できそうなマザーズ銘柄について紹介していますのよ。 下落が続いていたマザーズ指数が、ようやく底打ちした、とSBI証券では分析していますわ。その背景には、マザーズ指数を算出する …

【下げ相場を攻略するのじゃ!】

株価が上がれば、自分の持っている株の含み益が増えるので、株価が上がって欲しいと考えるトレーダーは多いのではないじゃろうか? そのため、多くのトレーダーが、上げ相場を歓迎し、下げ相場を敬遠しているのでは …

第八回:「投資」と「投機」の中間をするでござる⑤

「前回は③利回りを確保できる投資商品の組合せを選ぶことの大切さを教えたでござる。分散の効果を一番享受できるインデックス投資信託について説明したでござる。その中でくアクティブ投資信託とパッシブ投資信託に …

トップへ戻る