ギリシャショック前のギリシャはどんな経済構造だったのかしら?(ギリシャ問題とユーロその5)

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前回までは、通貨発行権を持つ国が経済危機に直面した場合、どのような方法で危機を脱したか、ということについて紹介したのですわ。
ギリシャの場合、通貨発行権がないため、例に挙げたタイやインドネシアのような独自の経済政策で経済危機を脱することができないことが問題なのですわ。

では、そもそも経済危機以前のギリシャはどんな経済構造だったのでしょうか?

ギリシャと言えば、パルテノン神殿などの遺跡や、白い壁の家が立ち並ぶ地中海の美しい島々など、観光地としてのイメージが強いのではないかしら?以前も書いたとおり、ギリシャの主要産業は観光業と海運業ですわ。

実際、ギリシャは観光業がGDPのおよそ20%にもなりますのよ。観光立国は不況のあおりを受けやすいのが特徴ですわ。というのも、世界的に不況になった場合、まずは観光等のレジャー費を皆抑えようとするからですわ。そのため、観光そのものに行かなくなったり、もっと安く観光できる国に行くようになりますのよ。また、以前書いたように、ギリシャでは頻発するデモで治安が悪化したり、ストライキ等で交通機関がマヒするなど、観光客が寄りつかなくなるような状態になっていたのですわ。

ギリシャが観光立国でいられたのも、同じヨーロッパに、イギリス、ドイツ、スイス等、所得の高い国があったからですわ。しかし、欧州全体が不況に陥ってしまうと、今までギリシャに来ていた観光客は、より安く観光できる他の国へ奪われてしまいますわ。これに対し、ギリシャは為替レートの切り下げで対応し、観光客の減少に歯止めをかけることができませんわ。なぜなら、共通通貨のユーロを使用しているからなのですわ。

その後のギリシャは、EUとIMFによる財政再建要求を呑み、公務員改革、年金改革を実施したのですわ。その甲斐あってか、2013年にはプライマリー予算の黒字化になんとか成功し、2014年4月には3bnユーロの五年債を5%弱のクーポンで発行することができるまでになりましたわ。また、株価指数が欧州債務危機後の最安値から約2年で3倍近く上昇し、目玉の観光業もようやく持ち直してきましたのよ。複数の外資系企業がギリシャへの投資を決定し、アテネ近郊やイオニア海の島々のリゾート開発を外資系企業が行うなど、一時に比べて活気が戻った時期もあったのですわ。

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